あるコインを\(2500\)回投げたとき、表が\(1300\)回出た。このコインは偏っているか?
あるコインを\(2500\)回投げたとき、表が\(1300\)回出た。このコインは偏っているか?
「偏りのないコインを\(n\)回投げる」という試行を行ったとき、表が出る回数を表す確率変数を\(X\)とする。すると、\(X = k\)となる確率は、 \[ \textrm{Pr}[X=k] = \binom{n}{k}\frac1{2^n} \] となる。
\(X\)の確率分布は平均\(\mu = \frac{n}{2}\)で分散\(\sigma^2 = \frac{n}{4}\)の二項分布になる。
(一般に、確率が\(p\)である二項分布の平均は\(np\)で分散は\(np(1-p)\)である。)
分散\(\sigma^2 = \frac{n}{4}\)だから、標準偏差\(\sigma = \frac{\sqrt{n}}{2}\)である。
\[ 2\sigma = \sqrt{n} \]
十分に\(n\)が大きいとき、表が出る回数が平均\(\mu = \frac{n}{2}\)から\(2\sigma\)以内のずれに収まる確率は約\(95\)%である。 \[ \textrm{Pr}\left[\left|\frac{n}{2} - X\right| \leq 2\sigma \right] = \text{約$0.95$} \]
たとえば、\(n = 2500\)であるとしよう。
「偏りのないコインを\(2500\)回投げる」という試行を行ったとき、\(n = 2500, \mu = \frac{n}{2} = 1250, 2\sigma = \sqrt{n} = \sqrt{2500} = 50\)となる。
すなわち、偏りのないコインを\(2500\)回投げたとき、表が出る回数\(X\)が\(1250-50 \leq X \leq 1250+50\)になる確率は約\(95\)%である。
あるコインを\(2500\)回投げたとき、表が\(1300\)回出たとしよう。もしもそのコインが偏りのないコインだとしても、表が\(1200\)回から\(1300\)回の間に入る確率は約\(95\)%である。
以上の文章は、黒木先生のツイートを読んで、結城が自分の理解のために書いたものです。誤りがありましたらお知らせください。