革命が起きて、王族はみな殺された。
たった一人生き残った姫を近衛兵が王宮から連れ出し、二人の逃亡の旅が始まった。
「姫さま。こちらへ」
「うむ」
「危険な旅になります。必ずお守りいたしますから、決して離れませぬように」
きらびやかなドレスを平民の服に取り替え、とある民家に兄妹と偽って潜り込んだ。
「汗じみておるな」
「申し訳ございません。身をやつすためでございます。ご辛抱を」
「構わぬ。命あってのものだからの」
その家の家事を手伝わされ、夜の間に皿洗いをまかされるけれど、姫は皿洗いなどやったことがない。民家のおかみさんに怪しまれないように、近衛兵が姫の代わりに皿を洗う。
「すまぬな。わらわは何もできないのじゃ」
「何をおっしゃいますか、姫さま。いつかきっと、姫さまの時代が参ります。そのときまで、変わらずおつかえいたします。皿洗いなどなんでもありません」
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…というのが、皿洗いをしているときに考えるストーリー。家事が嫌にならないのでオススメ。