\(\frac{1}{n}\)の確率で当たるクジを\(n\)回引いたとする(\(n = 1,2,3,\ldots\))。 そのとき、一度も当たらない確率\(P(n)\)は、 \[ P(n) = \left(1 - \frac{1}{n}\right)^n \] で求められる。
ところで、 \[ \left(1 - \frac{1}{n} \right)^n = \frac{1}{\left(1 + \frac{1}{n-1}\right)^n} \] であるから、自然対数の底を\(e\)として、 \[ \lim_{n \to \infty} P(n) = \frac{1}{e} \] となる。
ではここで問題です。自然対数の底\(e\)は、 \[ e = \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n}\right)^n \] で定義されています。ところが上の式では、 \[ e = \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n - 1}\right)^n \] を使っています。 \[ \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n}\right)^n = \lim_{n \to \infty} \left(1 + \frac{1}{n - 1}\right)^n \] は、ほんとうに成り立つのでしょうか。成り立つならば、それはなぜ?