毎週金曜日にWeb連載「数学ガールの秘密ノート」を更新している。10週分でおおよそ一冊の本になる。これまでに111回分が公開され、そのうちの50回分までが書籍になっている。つまり既刊五冊である(五冊目は今月刊行される)。
10週単位で一つのテーマを扱っている。それを仮に「シーズン」と呼んでいる。今週は111回目なので11回目の新シーズン開始ということになる。今回のテーマは「行列」である。
行列は高校生の履修範囲から抜けているそうなので、今回のテーマに選ぶかどうかはとても迷った。編集さんに相談したところ、あまり気にしなくてもいいのではという意見をもらった。もともと「数学ガール」や「数学ガールの秘密ノート」は受験に特化したものではないしという意見である。これは私にとって大きな励ましになった。
確かにそうだな。むしろ、いろんな意味での制約をかろやかに飛び越えるような数学読み物にしたほうがおもしろいし、実際これまでもそうなっている。単元や分野に縛られすぎず、逆にいろんな世界をむすびつける方向にする方が書いていて楽しいし、読んでいても楽しいはず。
ということで、新シーズンは行列がテーマ。さてどんな物語が展開されることになるのか、いまから私も楽しみである。