結婚は損か得か。
もちろんナンセンスな問いだ。
「※相手に寄る」に決まっているからだ。ただしここで大事なのは、相手に寄るというよりもむしろ、「相性による」に近いということ。
「白馬の王子様」を求めるのは無茶かもしれないが、それは「万人が認める白馬の王子様」を求めるからである。「私にとっての白馬の王子様」がたった一人いればいいのだ。
結婚とはそういうものである。
もっというなら、スタティックな白馬の王子様でなくてもいい。ダイナミックに白馬を見つけてくる王子様とか、駄馬をインクリメンタルに白馬に変える王子様でもいい。いやむしろそっちがいい。
そんなふうに、よくよく考えてみると、実は結婚を意味あるものにするのは、自分と相手との考え方次第である。努力次第である。歩み寄り次第である。
たなぼたのように完璧な結婚生活がやってくるわけではない。そんな風にやってきたものは、それだけで完璧ではないとも言える。
自分を見、周りを見、すぐそばにいる人を見る。そして「よし、私はこの相手と添い遂げよう」としっかり手をつなげたら、それが一番なんじゃないかな、と思っている。
結城夫婦は今年、銀婚式(結婚25年目)を迎える。結婚前に家族に紹介するために乗った電車のなかで、私たちはしっかり手をつないだ。「一緒にがんばっていこうね!」そして二人で神さまに祈った。いまでも昨日のように思い出す。
愛は感情ではない。愛は意志であり、約束である。私たち夫婦はクリスチャンなので、そういう結婚観を持っている。感情は揺れる。しかし約束は変わらない。だから、初めの愛にいつも立ち返るよう努力する。それが愛なのである。