ずいぶん以前につらつら考えていたことのメモです。
「人間は確率を考えるのが苦手だ」ということを思う。これは『数学ガール/乱択アルゴリズム』を書いていたときにずっと思っていましたし、いまでもそう思います。人間は確率を考えるのが苦手。だから簡単に確率クイズに引っかかる。たとえばモンティホール問題にしても、誕生日のパラドックスにしても。
「人間は条件を考えるのが苦手だ」ということも思います。もしもAとBが成り立っているならCも成り立つというとき、話しているうちにいつのまにかAとBの話を忘れてしまう。
「人間は不等式を使って考えるのが苦手だ」ということも思います。これは(2)とも関係しています。AはBに等しいであるとか、AはBに等しくないであるという話は得意なのだけれど、A < Bという状況が苦手。(ちょっと言葉不足だけどメモしておく)
「人間は数多くのものを考えるのが苦手だ」ということも…ちょっと待てよ。
これって要するに人間はあまり賢くないってことなんだね。
ネットでの議論を眺めていると、ときおり「なんであの人は○○をこういう風に考えられないのかなあ!」と憤っている人を見かけるのですが、きっと各人の限界というものもあるんじゃないかな、と思います。自分で扱える情報の複雑さに限界があるので、話を「常にそうだ/絶対に違う」と単純化して言いたがる。記憶にも限界があるから条件を忘れる、不等式であることを忘れる、物事にたくさんの局面があることを忘れる…。
もちろん、正しい指摘をすることは大事。「△△っていう条件が抜けてるじゃないか!」って。でもそれを相手が処理できるかどうかは別。
以上、走り書きなので乱文ご容赦。